2020.09.18 Vol.2_インテリアショップの店員が考える家づくり

STYLE HOME

理想と日常がちょうどいい家

 

「理想の家は3回建てないと満足したものが出来ない」
そのような話をよく聞きますが、正直1回しか建てられない人がほとんどだと思います。インテリアに携わり、たくさんのお客様と対話したことで、多くの方が同じような悩みを持ち、後悔していたことに気づきました。ただ目に見えるカッコ良さより、住む人の日常をカッコ良く満足したものにしたい。理想を求めるだけでは理想の暮らしは出来ないからこそ背伸びをしながら足元をみる。そんな想いを綴りました。
暮らし=人+空間+インテリア+日常

 

        


 

家を建てたときのこと

シンプルで生活感を感じさせないけど、暮らしやすい家
これが、私の家づくりのコンセプトでした。

☑生活感を感じさせない家

物が少なく、すっきりしていてまとまりがあり、雑誌の表紙に載っているようなおしゃれな家

☑暮らしやすい家

いつも使うものが近くにあり、実用的で暮らしやすく、子供が居るとおもちゃなどが雑多になる家

この相反することをどう実現していくのか?シンプルとは何かを徹底的に考えました。

 

大事にしたポイントは7つ

①イメージの共有

奥さんと自分のこだわりポイントを確認※ココ重要※

②素材感の統一

床・建具・壁紙・巾木などの素材感を統一する

③景観

中と外との繋がりがあるようにする

④照明

数・種類・配置を徹底的にこだわる

⑤スイッチ・コンセント

位置を徹底的にこだわる

⑥境界線

どこまでがプライベートルームなのか。何を見せて何を隠したいのか。

⑦無駄な廊下はいらない

 

特に印象的で自分でも細かいなと思ったポイントは、
スイッチ・コンセントの場所を徹底してこだわること
奥さんには伝わりにくいポイントでした。
実際、奥さんにも「そここだわる?そんなの暮らさないと分からないよ」と何度も言われました。
暮らし始めてから数年経過し、今となっては「あの時にこだわっておいて良かったね」と言われる1番のポイントです。

暮らさないと自分にとっての暮らしやすいポイントは分からない

そのポイントを暮らし始めた後に気付くのではなく、暮らす前から気を配り、形にしていくことが大切です。
もちろんこだわりのポイントは住む人によって異なります。だからこそ、些細なことまで考えてみてください。その中に自分自身さえ気付いていなかった暮らしへのこだわりが見つかります。しかし、それは本当に些細なことで、他の人から見たら気付かないようなことかもしれません。
でもそんな些細なことが、自分たちがこれから暮らしていく中で重要なことなのだと思います。

 

暮らす前と後のギャップを限りなく0にする


暮らし始めてから、「あぁこんなイメージじゃなかった」「空気清浄機を置きたいのに近くにコンセントがない」「洗濯物を出し入れするのが遠い」などなど、日常の中にはちょっとしたことがストレスになることがあります。こんな思いをしながら暮らすことはしたくないし、思ってもすぐには建て直せません。

何気ない日常の動きを、何回も何回もイメージする

これからの理想の暮らしを朝起きてから寝るまでの日常を切り取り、イメージする。
どんな日常をイメージしていたの?と聞かれることが多いので、私がどんなイメージをしていたか少しお伝えします。

 

1_朝起きた時

イメージしたこと

☐自然な朝日を浴びながらゆっくり目を覚ましたい。だけど、夏に日差しの暑さで起きたくない。
☐寝室ではなく、顔を洗うときにパッと目覚めたい。
☐リビングでカーテンを開けると、外の自然な風景があるようにしたい。

カタチにしたこと

☑寝室は間取りの北側に配置し、夏は朝日が強くなりすぎず、冬でも部屋全体に取り込めるよう広めの高窓を設置。
☑顔を洗いながら、朝日を感じて目覚められるよう洗面所にも高窓を設置。
☑自然な風景をより楽しむために窓は大きめにし、風景に溶け込むように窓周りのフレームはなるべく目立たないものを選定。

 

2_ソファで寛ぐとき

イメージしたこと

☐ソファに座るだけでなく、床に座ることも多い。
☐ソファに座りながら携帯を充電したい。
☐テレビの配線にほこりがたまるのはイヤ。
☐正面に見えるテレビとテレビボードの配線見えないようにすっきりしたい。

カタチにしたこと

☑ソファに座ったり、床に座ったり出来るようにラグを大きめに。
☑携帯充電の配線を導線の邪魔にならないよう、壁ではなくソファ下に配置。
☑ほこりがかぶらないように壁とテレビボードの隙間をなくした。
☑テレビボードの後ろから配線が見えないように、購入するテレビボードの配線穴位置の真後ろにコンセントを設置。

 

3_掃除・特に掃除機

イメージしたこと

☐形はコードタイプ・コードレスタイプ・ロボットタイプどれにしよう?
☐どこで使うのが一番多い?
☐動かすのがラクで、子供が汚した時にすぐ使えて出しやすいところが良いな。

カタチにしたこと

☑動かしやすいコードレスタイプに。
☑使用頻度が多いリビング・ダイニングに収納出来るよう配置。
☑収納場所にはコンセント配置し、しまいながら充電できるようにを設置。

 

4_夜、寝るとき

イメージしたこと

☐寝室は寝ること以外では使わないだろう。
☐明るさはあまり必要ないけど、本を読んだりはするかな。
☐携帯の充電は枕元でしたいな。
☐ホテルのような寝室にしたいな。

カタチにしたこと

☑寝るための部屋なので、天井に照明はなく直接光が目に入らないように壁付照明のみ設置。
☑絵本を読んだり、読書も出来るように照明の高さを考えながらも、直接光が目に入らないデザインを選定。
☑枕元で携帯が置けるようにベッドサイズを決めてからコンセント位置を決定。
☑枕側の壁のみアクセントクロスを貼り、落ち着きながらも締まる空間に。

 

改めて書き出すと、奥さんが細かくて嫌になるのも分かるほど、色々考えていたなと思います。(※夫婦間で考えの違いやストレスを感じて、意見を言わなくなることが多いです。ただ後々大変ですから、相手のことを想い合いながら、喧嘩しないように話をしていきましょう。)
このような本当に何気ない日常の動きを何回も何回もイメージすることで、後悔しない心地よい暮らしに近づきます。


 

        

関連新記事