2020.03.12 木製家具の特性とメンテナンス方法、お教えします!

 

 

木製家具の選び方と手入れ

 

やさしい風合いが日々の暮らしを豊かにしてくれる木製家具。気に入って購入したら、できるだけ長く、愛情を持って大切に使いたいものです。長く付き合う上で知っておきたいのが、その構造と塗装の種類。作られ方がわかると、経年変化の特製や適切なお手入れについて、自然と理解できるようになります。

 

 

 買うときに知っておきたい 木製家具の「構造」と「塗装」 

【構造】
大きく分けて「無垢材」と「突板(つきいた)」の2種に分けられます。無垢材の家具は、基本的にまるごと 一枚の木板、あるいは木を貼り合わせた集成材から作られています。値段は張りますが、耐久性に優れ、末永く愛用できます。一方、突板は木のシートをベニヤなどに貼り付け、これを土台となるしん材(※フラッシュ、MDFなど)に貼ったものです。薄い木のシートで表面をくるんだ人工材なので、反りなど経年変化の心配がありません。安くたくさん作るのに適していて、日本の家具でもよく見かける製法です。

※フラッシュ:格子状の木組みの上下を板で挟んだもの。
※MDF:繊維化した木片を圧縮して成形したもの。

 

【塗装】
無垢材家具の仕上げの主なものに、「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」があります。ウレタン仕上げは表面をウレタン塗料の皮膜で覆うので、キズや汚れがつきにくいのが利点です。オイル仕上げは、木の呼吸を妨げないよう植物性のオイルを導管に吸収させていきます。定期的なメンテナンスが必要ですが、木の本来の質感を生かしているので、肌触りが良く、使い込むほどに味わいが出ます。

 

自分の生活スタイルに合った家具を

 

無垢材のオイル仕上げの方が良いことばかりのように思えるかもしれませんが、そうでもありません。子育て中のお母さんが、赤ちゃんが飲みものをこぼす度に机のことが気にかかってストレスが溜まるようでしたら、ウレタン仕上げの方が良いかもしれません。構造や塗装についてメリットだけでなく、デメリットもよく理解した上で、ご家庭の生活スタイルに合った家具を選んでください。

 

 

 

 木の種類と特性いろいろ 

 

● Oak オーク(ナラ)
無垢材家具の定番。強度や耐久性に優れ、トラの縞のような美しい木目。使い込むと深いあめ色になる。耐水性があり、コルクやワイン、ウイスキー樽にも使われる。
● Ash アッシュ(タモ)
硬く、しなやかで弾力もあり、野球のバットやスキー板、楽器などにも使われる。淡い色合いで木目が均等で美しく人気。上品な雰囲気を放つ。
● Pine パイン(マツ)
木肌が白いので木目が鮮明。北欧スタイルの家具やカントリー調の家具によく使われる。柔らかく、筆圧で沈んだりするので、机などには向かない。
● Walnut ウォルナット(クルミ)
軽く、適度な強さがある。手触りの良さから家具のほか器にもよく使われる。濃い落ち着いた色合いで、重厚感が魅力。熱を通しにくく鉄砲の銃床にも使われる。
● Beech ビーチ(ブナ)
重厚でしなりがあり、日本では比較的安値で取り引きされるが、ヨーロッパではいすのアーチ部分などに重宝されている。加工しやすく、玩具や漆器などにもよく使われる。

同じ木でも、温暖な地域で早く育った木と、寒い山地で時間をかけて育った木では、目の詰まり方が違い、その差は年月と共に表に出てきます。材の乾燥時間もメーカーによって違い、その差は質や値段に現れます。木の種類に加えて産地や乾燥方法などもわかれば、チェックしたいポイントです。

 

家具の手入れグッズ、無垢材家具は、手入れすることで味わいが出てくるのも魅力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 育てる感じがうれしい 

 無垢材家具のオイルメンテナンス方法 

 

オイル仕上げの家具との暮らしは、生きものと暮らすようなもの。メンテナンスは木を健康に保つための点検作業です。オイルを塗り込んでふき上げると、新品のような初々しさを取り戻し、気持ちも晴れやかに。

 

ウォルナットのダイニングテーブルでトライ!

 

【用意するもの】

●オイル・ワークショップで使用したのはドイツ・リボス社のカルデットというカラーオイル。家にあるオリーブ油やエゴマ油などでも

●ふきん・2枚

●サンドペーパー・ 2 枚(320 番か 240 番と 400 番を各 1 枚ずつ)

●当て木

 

ATTENTION! 

オイルを塗る際に使った布は必ず放置せず、水をたっぷり含ませ、ビニール袋などに密閉して燃えるごみに出しましょう。放置すると酸素を取り入れて重合反応を起こし、自然発火する恐れがあります。

 

    当て木にサンドペーパーを巻き、家具の表面を木目に沿って磨いていきます。サンドペーパーは番号が若いほど目が粗いので、キズや汚れがひどい場合は 240 番の方を使いましょう。キズを集中的に削るのではなく、周辺一体も均一にかけていきます。

 

 

 

 

 

 

 

    サンドペーパーを400番に変え、全体をなじませるように仕上げていきます。削るというより細かいキズを幅広くつけ、元のキズを目立たなくするようなイメージで。

※1 – 力を相当入れても 1~2 mmほどしか削れないので、削り過ぎの心配は不要。キズや汚れがひどい場合は、120番のペーパーを使ってみても。

 

 

 

 

 

 

 

    水を含ませた後、固く絞ったふきんで木くずを丁寧にふきとり、30分から1時間ほど乾かします。ふきんの水分が多いと、木の表面に水が染み込んでしまうので注意しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

    ふきんにオイルを含ませ、木目に沿ってすりこむようにふいていきます。多過ぎるとベタついてしまうのでオイルは500円玉くらい(直径3cm)を目安に含ませ、円を描くように手早く塗り込んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

    15~30分ほどおいた後、乾いたふきんで丁寧にふき上げます。途中でやめるとふき染みができてしまうので端から端まで一気に。

 

 

 

 

 

 

 

    12〜20時間ほど乾かします(必ず陰干しで)。休日のお出かけ前の朝などにお手入れをするのが良いでしょう。
※6.1 – メンテナンス直後のテーブルを使うと、ひじなどにオイルがつき、その部分だけとれてしまいます。しっかり乾かしましょう。
※6.2 – 作業はよく晴れた20℃以上の日に行ってください。気温が20℃以下だと、さらに長時間乾かないこともあります。

 

 

 素材感がさらに引き立つ 

ソープフィニッシュのメンテナンス方法

 

ソープ仕上げのメンテナンスは日本ではあまり聞き慣れませんが、北欧デンマークなどではとてもポピュラーで、家具だけでなく、床まで豪快に石けんで洗ってしまう家も少なくないと言います。家にある石けんも使えるので、非常にリーズナブル、ぜひ覚えておきたいメンテナンス方法です。

 

ビーチ材のスツールでトライ!

 

【用意するもの】

●固形石けん・無添加、無着色、無香料のもの

●スポンジ・1個

●ふきん・2枚

●サンドペーパー・2 枚(320 番か 240 番と 400 番を各 1 枚ずつ)

●当て木

●70°Cくらいのお湯・1 リットル

●カッターナイフ

 

(1) 石けんをカッターでフレーク状に細かくカットし、大さじ 1 杯(約 5g)を洗面器に入れ、お湯でしっかり溶かします。

 

 

 

 

 

 

 

(2)水 1lを入れ、水温を 20°Cくらいまで冷まします。できた石 けん水をスポンジに染み込ませ、泡立ちがあるか確かめます。
◎石けんは適正濃度を守らないと、仕上がりにムラが出たり、汚れが落ち切らない場合も。

 

 

 

 

 

 

 

(3)レジャーシートを敷き、その上で素地調整を行います(屋外でやる場合は敷かなくてもOK)。サンドペーパーを当て木に巻き、目が粗い320番から先にかけ、400番で仕上げます。いすの脚などの曲面は当て木なしで、手で直接かけても構いません。

◎汚れがひどい場合はさらに目の粗い240 番の方を使いましょう。

 

 

 

 

 

 

 

(4)スポンジに石けん水を浸し、家具の表面を木目に沿って手早く、まんべんなく洗います。

◎ペーパーコード(いすの座面に使われる紙ひも)やレザーが使われている部分や、いすの脚の接地面などはあらかじめビニール袋やマスキングテープで水がかからないように保護しておきます。特にいすの脚の接地面から水が入ると、割れの原因につながることもあります。

 

 

 

 

 

 

 

(5)洗い終わったら、固く絞ったふきんで泡と水分をムラのないようふきとります。ドライヤーなどによる急激な乾燥は家具を傷めるので避け、風通しの良い場所で24時間陰干しします。

 

(6) 全体が毛羽立っているので、400番のサンドペーパーでなでるように磨いていきます。毛羽立ちがとれたら、最後に乾いた布でからぶきをします。

 


 

 

いかがでしたでしょうか。少しでも木製家具について知っていただき、木製家具を身近に感じ取っていただけたらうれしいです。今回は木製家具の特製とメンテナンスについてお話ししましたが、次回は布や革のお手入れ方法についてもお話しします。お楽しみに!

 

 

 

※一部画像およびテキストは、㈱まちごと屋発行『YOKIHI』2016年号より抜粋しています。

 

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