2020.11.26 今さら聞けない名作家具『Yチェア』って何!?
インテリア雑誌やオシャレなカフェでよく見かける、北欧インテリアの定番『Yチェア』。
スタイルでも不動の人気№1。スタッフ愛用率も№1。しかし、『Yチェア』を知っていても、Yチェアについて詳しく知らない方も多いと思いのではないでしょうか?
Yチェアが人気の理由は、デザインの美しさ、掛け心地の良さ、耐久性の高さ、手の届く価格帯など、様々な理由があります。そこで、本日は皆さまにもっとYチェアの魅力をお伝えしたいと思います。
■誰がデザインしたの?
Yチェアのデザイナーは、北欧デザイン界の巨匠『ハンス・J・ウェグナー』。Hans Jørgensen Wegner(ハンス・J・ウェグナー)1914-2007ウェグナーは、20世紀を代表とする家具デザイナーであり、北欧デザイン界に多大な影響を与えた人物です。
ウェグナーは、1914年にデンマークとドイツの国境の町、トゥナーに靴職人の息子として生まれました。
10代前半から家具職人のもとで修業をはじめ、17歳という若さで家具職人の資格を取得しました。
ウェグナーが92年の生涯で発表した作品は1,000作以上。そして、そのうち500作以上が椅子のデザインでした。
ウェグナーのデザインは、10代の頃から身に着けた、家具職人としての高い技術と知識、木材に対する愛着と理解から生まれています。シンプルな中にある美しさ、耐久性、そして使い易さが見事に融合し、ウェグナーのデザインは色あせることなく、現在でも世界中の人々に愛され続けています。
スタイルで購入可能なYチェア以外のウェグナー作品はこちら▽
・CH07-1963
・CH20-1956
・CH25-1950
■どこのメーカーが販売しているの?
Yチェアの販売元は、デンマークの老舗家具メーカー『カール・ハンセン&サン』。CARL HANSEN & SØN(カール・ハンセン&サン)
創業100年を超える歴史あるデンマーク家具メーカー。すべての製品がデンマーク国内で製作されています。考え抜かれたデザイン家具を最高級の素材と優れた職人の技術でもって作り上げるクラフトマンシップは、100年以上経った現在も変わりません。
カール・ハンセン&サンは、ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られていますが、その他にも、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセンなど、数多くの世界的デザイナーの家具を製作し、世界各国で販売しています。
■Yチェアってどんな椅子?
1950年、ウェグナーは初めてカール・ハンセン&サンから椅子を発表しました。この時デザインされたのがYチェアこと『CH24』。ウェグナーは、Yチェアをデザインするよりも前に中国の椅子を参考に『チャイニーズチェア』をデザインし、その進化系がYチェアとなりました。CH24はウェグナーの代表作であり、世界的ロングセラー商品です。360度どの角度から見ても洗練された美しさがあり、彫刻のようなお椅子です。特に日本での人気が高く、素材感や温かみのあるデザインが、日本の住宅と相性が良いのが人気の理由の一つです。
■Yチェアをパーツごとに見てみよう!
・アーム 背もたれ
アームから背もたれにかけてのパーツは、蒸気をあてながら木材を曲げていく『曲木加工』で作られています。
曲木加工によって成形されたアームパーツは継ぎ目がなく、とても美しい仕上がりです。
アームと背もたれを一体化するというデザインは、今では数多く見られますが、当時は斬新なデザインでした。
ほどよく後ろに傾いた背もたれは、大柄な男性でもゆったりと体を包み込んでくれます。
尚且つ、細身でスッキリとした外見は圧迫感を与えません。
アームの高さも絶妙で、本や新聞を読んだり、くつろぐのに丁度良い高さなんです。
ぜひ店頭でお試しください。
・Y字型
アームを支えるのが、『Yチェア』の愛称の由来にもなったY字型のパーツです。
海外では、Y字が鳥の骨にも見えることから『ウィッシュボーンチェア』とも呼ばれています。
デザインをYの字にすることで、背骨に当たることなく快適にお掛けいただけます。
このパーツは成形合板で作られ、耐久性にも優れています。
・脚
後ろ脚のねじれが、Yチェアの美しさの要素の一つです。
構造や生産コストを考えた上で、デザイン的に優雅な曲線形状に仕上げられています。
・ペーパーコード
100以上もある製作工程のほとんどは機械化されていますが、重要となるポイントは職人の手によって行われています。
そのひとつが、座面にペーパーコードを張る作業です。この作業には熟練した職人でも1時間かかります。
1脚あたり、120メートルの強度と耐久性に優れたペーパーコードを使用し、永く使える座面を作り上げています。
ペーパーコードの耐久性は革や布張りと同等か、それ以上です。張り替えの目安は、およそ10~15年が目安と言われています。
使い始めはピンと張られたペーパーコードも、使い込むごとに使い手の形に馴染み、
包み込まれるような掛け心地になっていきます。
さらに、紙は水に弱いと思われがちですが、ペーパーコードには蝋がコーティングされているため、水を弾くので安心です。
ペーパーコードとは
樹脂を含ませた紙をよったコード(紐)のこと。
革や他の素材に比べてコストも低く、品質にばらつきがない上に、クッション性もあり、
さらに使用感も優れている等の理由から椅子の制作にも使われるようになりました。
ペーパーコードのお手入れについて
定期的に掃除機でペーパーコードの間のホコリを取り除いてください。
もし、濡らしてしまった場合は、こすらない様に注意して水分を取り除き、
陰干しして完全に自然乾燥で乾くまでは使用を避けて下さい。
無理にこすったり、濡れたままで使用すると、ペーパーコードの寿命を短くする恐れがあります。
ペーパーコードがたわんでしまったり、汚れがひどい場合には、ペーパーコードの張替えも承ります。
お気軽にお申しつけください。
■Yチェアの座り方
『座り方』といってもおすすめの座り方があるわけではありません。
ウェグナーは、一定の姿勢で座ることを強いられることなく、自由に姿勢を変える余裕も必要だと考えました。
Yチェアは、正面を向いて座っても、斜めに座っても、横を向いても、あぐらをかいても座りやすいのです。
実際お店でお試しください。
さらにペーパーコードは通気性も良く、約4㎏(※材質により異なります)と軽量なので、
ストレスなく一年中快適にご使用いただけます。
■Yチェアの価格は?
Yチェアは、決してお安くはないですが、ウェグナーの椅子の中では比較的手の届く価格帯です。
これは、量産向きに考えられた構造、無駄のない材料の使い方、機械加工と職人の手による加工を上手く組み合わせることで、大幅なコストダウンが可能になっているおかげです。数十年使えると考えれば、高くはない・・・のではないでしょうか。
■サイズは?
座高(SH)は、発売時は43㎝のみでしたが、
2003年ころから欧米向けに45㎝、日本向けに以前から販売していた43㎝の2タイプを販売し始めました。
2016年からは通常サイズが45㎝になり、43㎝は受注生産となりました。
Yチェアをご購入いただく前にこれだけはご注意を!
Yチェアのアームは、ほとんどのダイニングテーブルに収めることができません。
椅子の後ろに人が通れるスペースが必要と考えると、120㎝程度は必要となりますので、ご購入前にご確認ください。
■コピー品にお気をつけください!
人気のデザインだけに、デザインを真似たコピー品もたくさん存在します。
一見そっくりなデザインでも、コストカットをしている分クオリティが異なるので、
掛け心地が違うのはもちろんですが、Yチェアのように長くご使用いただくことは出来ません。
そして、購入しない事で『本物』を守ることにも繋がります。
本物を愛していただくことで、これからも一人でも多くの方にYチェアをお届けできる様に守っていきましょう。
皆さま、本日ご紹介したポイントに気を付けながら、コピー品にはお気をつけください。
■ラインナップについて
現在のラインナップは、木種・カラーリング合わせて52パターン!
そして今なら、12/31まで限定の『CH24ソフト』5色もお選びいただけます。
『CH24ソフト』については、こちらをご覧ください▽
さて、『Yチェア』が世界中の人々に選ばれる理由がお分かりになりましたでしょうか?
でも、やっぱり椅子は座る方との相性です。どんなに素晴らしい椅子でも、掛け心地には個人差があります。
現在、Yチェアは現在スタイル全店舗でお試しいただけます。よろしければ店頭でぜひ掛け心地をお試しください。
『人間の最も身近なところにあるのが椅子。だからこそディテールがきちんとしていることが大事だ。
私はディテールを視覚ばかりでなく、感触でつかむ。人は触れて、手を通して家具を見ている。』
ハンス・J・ウェグナー
[取扱店舗]
■STYLE伊勢崎店
■STYLE高崎店
■ACTUS宇都宮
■ACTUS+STYLE
※展示状況は店舗により異なります。
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