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ハンス J.ウェグナー展連載企画 いよいよ最終回となりました。

JH503ことザ・チェアをご紹介させていただきます。

 

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ウェグナーの作品の中でも最高傑作の一つに挙げれ、プロポーションの美しさ、掛け心地の良さなど、

あらゆる点において完成度の最も高い作品である。

彼自身もこの椅子について、「初めて自分のよさが出た椅子で、安物は感じはないし、無駄もない」と語っている。

この椅子がデンマークで発表された当時は呼び名も単なる“ラウンドチェア”であまり話題にはならなかったが、

1950年アメリカの雑誌〈インテリアーズ〉1月号に紹介され一躍有名になった。

また、1960年のアメリカ大統領選でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンがCBSテレビで討論を行った際に、

この椅子が使われたことは非常に有名である。

この時の2脚の椅子は、その後、銀のプレートを付されスミソニアン博物館に展示されている。

ちなみに“THE CHAIR”というネーミングは、コペンハーゲンにあった有名なインテリアショップ“デン・パーマネンテ”の

役員をしていたオスカー・フィッシャーが1950年に名付けたものである。

この椅子の特徴である、背から肘へかけての美しい笠木は、3つのパーツをフィンガージョイントと呼ばれる工法で

組み合わせてから作られている。この工法は、それぞれの部材の品質、乾燥などのバランスが均一でなくては出来ない

ジョイント工法である。

この椅子が世界中に認められると共に、そのコピーも各国で生まれたが、このフィンガージョイントや、

貫を使わない脚部でことごとく失敗し、やがて姿を消していった。

1949年に発表されたモデルでは、笠木の背の部分に、籐が巻かれていた。こ

のモデルは、フィンガージョイントによるものではなく、ジョイント部分は籐を巻くことによって隠されていた。

当時の家具デザインにおいては、接合部分は「見えない様に、または見えにくく」することが常識であったが、

フィンガージョイントを取り入れたことで「籐のカバー」は取り去られ「見せるジョイント」が可能となったのである。

この「見せるジョイント」の発想はウェグナーにとって大きな転機となり、その後の世界のデザイナーや木工家にも

大きな影響を与えることとなった。

 

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現在はPP MOBLER社での製造となっておりますが今回展示している物は、今は無きJOHANNES HANSENS社製

の物となります。デンマークのビンテージショップでもほとんど見かける事のない、貴重な逸品です。

発表当初は全く注目されなかったというエピソードが印象的でした。

しかしそれが今では”椅子の中の椅子”と称される程、高い評価を得ています。

ご来店いただいたお客様にはなるべく座って頂くことをすすめております。

 

間違い無く一生お付き合いいただける作品です。ぜひ一度、本物に触れてみてください。

 

今回の連載企画では現在展示されております椅子をすべてご紹介させていただいたのですが、

この他にもダイニングテーブルやソファなどもウェグナーの作品をいくつか展示しております。

9月8日の日曜日まで開催しておりますので、皆様のご来店心よりお待ちしております。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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バックナンバーはこちら

Vol.1o Wishborn chair CH24

Vol.9 CH29

Vol.8 CH33

Vol.7 PP701

Vol.6 Easy chair CH25

 

Vol.5 Three legged shell chair CH07

Vol.4 Kastrap chair CH401

Vol.3 Elbow chair CH20

Vol.2 Velrt chair

Vol.1 Peacock chair

 

 

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ハンス.J.ウェグナー展

8月3日~9月8日

場所 STYLE伊勢崎店

群馬県伊勢崎市日乃出町399-1

TEL:0270-25-2829

11時から19時まで

水曜定休日

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