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ハンス J.ウェグナー展連載企画 第10回

CH24ことウィッシュボーンチェアをご紹介させていただきます。

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1950年にデザインされた歴史に残る名作椅子。

別名“Y CHAIR”の名で親しまれる椅子は、数多いウェグナーの作品の中で最も日本人に人気があり、

かつ、最も売られた椅子である。

これまでに全世界で50万脚以上が売られ、彼の作品中最大のベストセラーである。

名前の由来となる“Y字”の背とフレームのバランスがとても美しく、アームから背にかけての曲木は

背中が痛くないよう平面に削られるという細かな工夫が施されている。

1949年、カールハンセンの息子、ボルガ―・ハンセンが社長を務めていた時

コペンハーゲンでウェグナーの作品を初めて知り、その作品に感激して

彼を自宅に招待した。その3週間の滞在中に、この“Y CHAIR”のプロトタイプが作られたのである。

このプロトタイプにはほとんど手を加える事なく、機械加工に向いたモデルが完成した。

この“Y CHAIR”は、そのほとんどの工程で機械による加工がなされ、

手作業は、全体の組み立てとペーパーコードによるシート部の編み込みくらいのものである。

しかしながら、手工品的な暖かさや温もりを全く失うことなく完成度の高い作品に仕上がっている。

この“Y CHAIR”のルーツが、中国の明代の椅子にあることはよく知られている。

1943年、1944年に発表した“CHINESE CHAIR”、そして1949年に

発表した“THE CHAIR”のデザインの延長線上に、このY CHAIRが誕生したのである。

日本人に好かれ、日本のインテリア空間に抜群の相性が良いのは、この椅子のデザインツールが

東洋にあったからかもしれない。

 

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お店や雑誌などで一度は目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

発表から60年以上経った今でも、多くのファンを魅了し続ける作品です。

曲げ木加工が施された背もたれが体を優しく包み込んでくれます。

座面には全長が120メートルのペーパーコードが用いられており、1時間かけて職人の手により丁寧に編み込まれています。

殆どが機械工程によってつくられているにも関わらず、手作業と思わせるほどの優しいデザインです。

 

数年お使いいただいたお客様からペーパーコードの張り替え依頼を承ることがあるのですが、使い込んだ分

木の色が濃くなっていて大変味わいがでています。そして張り替えられた椅子はさらに永くお使いいただけるので、

世代を渡って使い続けることもできるのではないでしょうか。

会期中は珍しい色のYチェアが展示に加わっております。

ぜひご来店くださいませ。

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バックナンバーはこちら

Vol.9CH29

Vol.8 CH33

Vol.7 PP701

Vol.6 Easy chair CH25

 

Vol.5 Three legged shell chair CH07

Vol.4 Kastrap chair CH401

Vol.3 Elbow chair CH20

Vol.2 Velrt chair

Vol.1 Peacock chair

 

 

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ハンス.J.ウェグナー展

8月3日~9月8日

場所 STYLE伊勢崎店

群馬県伊勢崎市日乃出町399-1

TEL:0270-25-2829

11時から19時まで

水曜定休日

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